移動・転倒対策
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ベッドや椅子から立ち上がるとき、壁に手すりを付けられず困ることがあります。工事不要の置き型手すりなら使えそうでも、土台の大きさや手すりの形が多く、どれが合うか迷いますよね。
選ぶ順番は、商品からではありません。まず本人がどこから、どちら向きに立ち上がるかを見て、手を置く高さと土台を置ける広さを確かめます。
先に結論:購入前に、立ち上がり動作と置き場所を一緒に確認する
床や低い座面から段階的に手を移したいなら、面のあるタイプ
パナソニック エイジフリー「スタンディ PN-L80401」は、低い位置の面と上部の丸手すりを使えます。床座や低い座面から、手の位置を変えながら立つ動作の候補です。
ベッドや布団の脇で使うなら、土台が寝具の下へ入るサイドタイプ
モルテン「ルーツ HS サイドタイプ MNTPMLBR」は、幅50×長さ105cmの土台を持つベッド・布団脇向けです。設置位置と寝具との隙間まで専門職に確認してもらいます。
狭い場所で握る向きを変えたいなら、コーナー形状のタイプ
矢崎化工「たちあっぷⅡ CKA-23」は、約33.8cm角のコーナー形状の手すりです。トイレ、廊下、脱衣所などで、立つ前と立った後に握る方向を変えたい場面が候補になります。
置き型手すりは、置けば誰でも安全に立てる道具ではありません。本人の足の力、手の力、ふらつく方向、介助方法と合わないと、土台につまずいたり、手すりごとバランスを崩したりするおそれがあります。まずケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談し、可能なら貸与品で試してください。

手すりの形は、立ち上がる動作に合わせて選ぶ
面手すりは、握り込まずに手のひらや腕で支えやすい
平らな面へ手を置けるため、丸い棒だけを強く握るのが難しい人にも候補になります。低い位置から上部の手すりへ手を移せるか、実際の動作で確認します。
- 床座や低い座面からの立ち上がりを検討しやすい
- 面を使わないときに折りたためる商品もある
- 面を倒す範囲と手を移す動線が必要
- 上から押す、横へ引くなど、本人の力の方向に合うかを試す
サイドタイプは、ベッドや布団の横から立つ動作に合わせやすい
長い土台を寝具の下へ差し込むように置き、横の手すりをつかみます。ベッドの高さ、マットレスの張り出し、本人が足を下ろす位置との組み合わせが重要です。
- ベッドや布団での起き上がり、立ち座りの候補
- 長い土台が安定に役立つ一方、設置には奥行きが必要
- ベッドと手すりの隙間は、製品の取扱説明書どおりに調整する
- 電動ベッドは、動かしたときの挟み込みも確認する
コーナータイプは、体の向きが変わる場所で握り替えやすい
L字に近い形の手すりは、立ち上がるときと向きを変えるときに別の辺を持てます。狭い場所でも、土台全体が置けて通路を妨げないことが条件です。
- トイレ、廊下、脱衣所などの候補
- 2方向から手をかけやすい
- 66cm角の土台が足元や介助者の立ち位置と重ならないか確認する
- 連結部、高さ調整部、縁ゴムを使用前に点検する
置き型手すりを選ぶときに見る5つのポイント
01 本人がどこへ手をつき、どちら向きに立つか
ベッドから足を下ろして横向きに立つのか、椅子の前へ体重を移して立つのかで、必要な手すり位置は変わります。いつもの動作を途中から手伝わずに観察し、手を伸ばす位置とふらつく方向を確認します。
立ち上がる途中で膝折れがある、手すりへ全体重を預けても立てない場合は、用具だけで解決しようとせず、理学療法士、作業療法士、福祉用具専門相談員へ相談してください。
02 高さと握り方を実物で試せるか
手すりが高すぎると肩が上がり、低すぎると前かがみになりやすくなります。握り込む、手のひらを置く、腕を添えるなど、本人が自然に使える形も異なります。
カタログの身長だけで決めず、普段の椅子やベッドの高さ、履物、手の痛みを含めて調整します。
03 土台を平らに置き、生活動線を残せるか
土台の一部だけが敷物へ乗る、床に大きな段差がある、電源コードが下を通るといった置き方は避けます。土台の縁が、本人や介助者の足、車いすのキャスターへ当たらないかも確認します。
掃除や移動のたびに家族だけで位置を変えると、調整が崩れることがあります。設置位置に印を付けるかどうかも、貸与事業者へ相談しましょう。
04 ベッドや家具との隙間に体が入らないか
消費者庁は、介護ベッドと手すりなどの隙間へ頭、首、手足が挟まる事故に注意を呼びかけています。ベッド脇へ置く場合は、製品ごとに指定された隙間と位置を守り、電動ベッドを動かした状態でも確認します。
自己判断でクッションやひもを追加すると、別の隙間や引っ掛かりを作ることがあります。対応部品を含め、メーカーと福祉用具専門相談員へ確認してください。
05 家族が日常点検を続けられるか
使用前に、ぐらつき、ゆるみ、高さ調整部、土台、縁ゴム、手すり表面を確認します。汚れの拭き方や消毒方法は材質ごとに異なるため、取扱説明書に従います。
異音、変形、ひび、部品の外れがあれば使わず、購入店や貸与事業者へ連絡します。重い本体を無理に一人で持ち上げないことも大切です。
使い始める前に、立つ・座る・通るまで確認する
- 設置前:平らな床に土台全体を置けるか、家具・敷物・コード・扉と干渉しないかを確認します。
- 調整後:固定部と高さを確認し、介助者がすぐ支えられる状態で、立つ・座る動作を試します。
- 設置後:本人だけでなく介助者、車いす、歩行器が通れるか、夜間にも土台の縁が見えるかを確認します。
試したときに使えた配置でも、体調、寝具、椅子、介助方法が変われば再調整が必要です。定期的に「今もこの位置でよいか」を見直します。

立ち上がる場所で選ぶ置き型手すり3商品
メーカー公式の商品ページ、カタログ、取扱説明書で、2026年10月9日時点の仕様を確認しました。順位ではなく、立ち上がる高さ、置き場所、握る方向で選び分けます。
| 商品 | 選ぶ場面 | 土台・本体寸法 | 高さ・重量 | 設置・電源 |
|---|---|---|---|---|
| スタンディ PN-L80401 | 床・低い座面から段階的に立つ | 幅63×奥行78cm ベース厚1.1cm |
手すり70〜85cm 22.5kg |
六角レンチで組立・調整 電源不要 |
| ルーツ HS サイドタイプ MNTPMLBR | ベッド・布団の脇 | 土台 幅50×長さ105cm | 手すり70・75・80cm 21.7kg |
工具不要で組立・調整 電源不要 |
| たちあっぷⅡ CKA-23 | 狭い場所で2方向から握る | 土台 幅66×奥行66cm 手すり約33.8cm角 |
手すり70・75・80・85cm 20.4kg |
組立・高さ調整 電源不要 |
低い位置から支え方を変えやすい
パナソニック エイジフリー 折りたたみ可能な面手すり スタンディ PN-L80401
向いている人
床座や低い座面から立つとき、低い面へ手を置き、立位に近づいたら上部の丸手すりへ手を移したい人。棒を強く握る以外の支え方も試したい人。
平面部の高さは35〜50cm、上部の手すりは70〜85cmです。平面部は使わないときに折りたためます。
- 品番PN-L80401、JAN 4549980037355、TAIS 00980-000315
- 幅63×奥行78cm、重量22.5kg
- 最大使用者体重100kg、手すり幅45cm
- 高さ
- 70〜85cm
- 重量
- 22.5kg
- 電源
- 不要
注意点:平面部と上部手すりの高さは連動し、別々には設定できません。組み立てと高さ調整には付属の六角レンチを使います。面を開閉する範囲と、手を移す動線を含めて設置位置を決めます。
ベッド・布団脇での安定性を重視
モルテン ルーツ HS サイドタイプ MNTPMLBR
向いている人
ベッドや布団の横から起き上がり、立ち座り、立位保持をしたい人。幅50×長さ105cmの土台を寝具の下へ置ける家庭。
高さ70・75・80cmの3段階です。トップグリップと中段のグリップがあり、組み立てと高さ調整は工具を使わずに行えます。
- 品番MNTPMLBR、TAIS 00054-000382
- 土台は幅50×長さ105cm、手すり幅33cm
- 重量21.7kg、最大利用者体重100kg
- 高さ
- 70・75・80cm
- 重量
- 21.7kg
- 電源
- 不要
注意点:取扱説明書は、サイドタイプをベッド脇へ置く場合、手すりとベッド側面の隙間を2〜12cmにするよう案内しています。寝具の種類、電動ベッドの動き、本人の体格を含め、専門職が設置を確認してください。
狭い場所で握る方向を変えやすい
矢崎化工 たちあっぷⅡ CKA-23
向いている人
トイレ、廊下、脱衣所などで、立ち上がりと向きを変える動作を一つの手すりで支えたい人。66cm角の土台を置いても通路と介助位置を確保できる家庭。
約33.8cm角のコーナー形状で、2方向から手をかけられます。高さは70・75・80・85cmの4段階です。
- 品番CKA-23、JAN 4979652527417、TAIS 00055-000206
- 土台は幅66×奥行66×厚さ1.63cm
- 重量20.4kg、手すり径32mm
- 高さ
- 70・75・80・85cm
- 重量
- 20.4kg
- 電源
- 不要
注意点:狭い場所向けでも、土台を家具の下へ無理に差し込んだり、通路を狭めたりしないようにします。スタンド、高さ調整部、縁ゴムを点検し、手すりを横へ強く引く動作も実際に確認します。
選び方のポイント
低い位置から手の置き方を変える
PN-L80401を候補にし、平面部から上部手すりへ無理なく手を移せるか、面の開閉範囲を確保できるかを試します。
ベッド・布団の横から立つ
MNTPMLBRを候補にし、土台を置ける奥行き、手すりの高さ、寝具との隙間、足を下ろす位置を確認します。
狭い場所で体の向きを変える
CKA-23を候補にし、2方向の握りが動作に合うか、66cm角の土台が本人・介助者・車いすの動線を妨げないかを確認します。
介護保険を使える場合は、買う前に貸与を相談する
工事を伴わず床へ置いて使う手すりは、介護保険の福祉用具貸与の対象種目です。制度を利用できるかは、本人の認定状況、製品、利用目的、自治体の扱いによって確認が必要です。
身体状況や家具の配置が変わると、合う手すりも変わります。高価な商品を先に購入せず、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員へ相談し、試用、貸与、住宅改修による固定手すりも含めて比べてください。
迷ったら、商品ではなく「いつもの立ち方」を見てもらう
相談するときは、ベッドや椅子の高さ、立ち上がる側、夜間の移動先を伝えます。可能なら、本人が普段どおりに起き上がり、足を床へ下ろし、立って向きを変える様子を専門職に見てもらいましょう。
家族は手すりを本人の体へ近づけることだけを考えず、介助する位置と通路も残します。借りて試せるなら、数日使い、朝夕や体調による違いまで確認すると選びやすくなります。
まとめ
置き型手すりは、面、サイド、コーナーという形より先に、本人がどこからどちら向きに立つかを確かめて選びます。
床や低い座面には面手すり、ベッド・布団の脇にはサイドタイプ、狭い場所で向きを変えるならコーナータイプが候補です。高さだけでなく、土台を置く広さ、通路、寝具との隙間、日常点検まで確認します。
まずケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談し、可能なら貸与品で本人の立ち上がり動作と設置場所への適合を試しましょう。

