介護とお金
親の介護にはいくらかかる?在宅・施設の費用と負担を抑える制度
親の介護が始まると、「毎月いくら必要になるのか」「年金の範囲で足りるのか」が気になる方は多いと思います。
介護費用は、要介護度だけでは決まりません。在宅か施設か、利用するサービスの種類や回数、本人の負担割合、住んでいる地域などによって変わります。
この記事では、金額を一つに決めつけず、費用の内訳と確認する順番、負担を軽くできる制度を整理します。
まず「介護保険が使える費用」と「それ以外」を分けます
介護にかかるお金を考えるときは、介護保険サービスの自己負担だけを見ないことが大切です。
在宅では、介護保険サービス費のほか、食費、おむつなどの消耗品、通院交通費、住宅の光熱費などが考えられます。施設では、介護サービス費に加えて、居住費、食費、日常生活費などが必要です。
何が介護保険の対象になるかはサービスによって異なります。見積書では、保険対象分と保険外の費用を分けて確認しましょう。
先に結論|最初に確認するのは4つです
1 介護保険負担割合証
介護保険サービスを利用したときの負担は原則1割で、一定以上の所得がある方は2割または3割です。実際の割合は、本人に交付される介護保険負担割合証で確認します。
2 利用するサービスと回数
訪問介護、デイサービス、ショートステイなど、何を何回使うかで月額が変わります。ケアプランの案があれば、サービスごとの自己負担を確認できます。
3 保険外で必要になる費用
食費、居住費、日用品、交通費などを確認します。施設では、月額表示に含まれるものと別料金になるものを分けて見ます。
4 使える負担軽減制度
自己負担が一定の上限を超えた場合の高額介護サービス費や、施設等の食費・居住費を軽減する制度などがあります。所得や資産などの条件があり、申請が必要な制度もあります。
在宅介護で確認したい費用
介護保険サービスの自己負担
訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具貸与など、利用内容と回数によって変わります。
支給限度額を超えた分
在宅サービスには、要介護度ごとに介護保険から給付される上限の目安があります。対象サービスの利用額が限度額を超えた部分は、原則として全額自己負担になります。
介護保険の対象外となる生活費
食費、日用品、交通費、配食サービスなどが考えられます。おむつ代の扱いなどは、利用する制度や施設、自治体の助成によって異なることがあります。
家族側に増える支出
実家への交通費、仕事を休むことによる収入への影響、見守り機器の通信費なども整理します。親本人の費用と家族が負担する費用を分けて記録すると把握しやすくなります。
施設介護は「月額」だけで判断しない
介護保険施設を利用する場合、介護サービス費の自己負担に加えて、居住費、食費、日常生活費などが必要です。
民間施設では、入居一時金、家賃、管理費、食費、介護保険サービス費、追加サービス費など、料金の構成が施設ごとに異なります。
比較するときは、パンフレットの月額表示だけでなく、次の項目を見積書で確認しましょう。
- 入居時に必要な費用と返還条件
- 毎月必ずかかる費用
- 介護度が変わると増減する費用
- 医療、通院、理美容、日用品などの別料金
- 退去時の精算や原状回復に関する条件
負担を抑えられる可能性がある制度
高額介護サービス費
1か月の介護保険サービスの利用者負担が、所得区分に応じた上限を超えた場合、超えた分が支給される制度です。
福祉用具購入費、住宅改修費、施設の食費・居住費など、対象にならない費用があります。申請方法と対象範囲は市区町村へ確認してください。
食費・居住費の負担軽減
介護保険施設やショートステイを利用する低所得の方には、所得や預貯金などの要件に応じて、食費・居住費の負担限度額が設けられる場合があります。
2026年8月から所得区分の基準の一部が見直されています。古い案内だけで判断せず、市区町村へ申請条件を確認しましょう。
自治体独自の助成
おむつ、住宅改修、移送、配食などについて自治体独自の支援がある場合があります。対象者、所得要件、申請時期は自治体によって異なります。
正確な月額は、ケアプランと見積書で確認します
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」には、要介護度とサービスの利用回数から概算料金を試算する機能があります。
ただし、試算は全国の利用実績の平均値を用いた概算です。地域区分、利用回数、加算、食費や居住費などによって実際の金額は変わります。
在宅介護ではケアマネジャー、施設入居では施設担当者に「保険対象」「保険外」「毎月変動する費用」を分けた見積書を依頼すると整理しやすくなります。
まとめ
介護費用は、在宅か施設かだけでなく、利用するサービス、本人の負担割合、保険外費用によって変わります。
まず介護保険負担割合証とケアプランを確認し、保険外費用を加えた月額を整理しましょう。負担が大きいときは、高額介護サービス費や食費・居住費の軽減制度について市区町村へ相談してください。

